地球惑星科学コロキュウム
日時:2月10日(金) 17:00 - 18:30
場所:東大本郷 理学部1号館 839号室
(TV会議システム IP 133.11.228.8)
講演者 :鎌田 俊一
タイトル:かぐや地形データを用いた古セレノイド復元
要旨:
月の暗い部分は「海」と呼ばれ、約15~40億年前の火山活動で
噴出した玄武岩であることが知られている (e.g., Head, 1976)。
この「海の玄武岩」のメルトの粘性は、地球の玄武岩溶岩と比
較しても低い (e.g., Weill et al., 1971)。
したがって、海の玄武岩の噴出量が多く、その厚さが分厚い領
域においては、海の表面地形はセレノイド (等重力ポテンシャル
面、地球におけるジオイド) に沿うと考えられる。
しかしながら、、現在のセレノイドと海の地形は必ずしも一致
しない。Brown et al. (1974) は、アポロによって得られた赤道
付近の高度データ解析を行い、海と高地両方を含めてフィット
した円と、海領域 (Procellarum, Serenitatis, & Crisium)だけを
取り出してフィットした円は、その中心位置が異なることを発
見した。後者の円の中心は、重心位置とも異なるため、セレノ
イドの中心座標が変化した可能性がある。更に、後者の円には
Mare Smythii の地形もよく一致する。これら 4 つの海が同一の
半径の円でフィットできるということは、すなわち、これらが
同一の重力ポテンシャル面に沿っており、マグマソースを共有
している可能性まである。
しかしながら、たった二つの軌道 (Apollo 17 Revolution 15/16)
直下の高度データのみを利用しており、緯度方向の情報はほぼ
含まれていない。また、海の年代との比較なども行われていない。
本研究の目的は、かぐやで得られた全球の高度データを用いて、
月全球の海を対象にしたセレノイド復元を試みることである。
本発表では、初期解析結果(全ての海を等ポテンシャルと仮定
した場合や、各ユニット毎に異なるポテンシャルを仮定した場
合におけるセレノイドの中心位置など)を報告する。



