太陽は水素の核融合反応により発熱・発光しています
太陽と黒点の写真

太陽の直径は地球の109倍、太陽系最大の惑星である木星の10倍、質量も地球の約33万倍、木星の約1000倍と太陽系の中でとにかく巨大な存在です。

太陽系の全質量の99.86%が太陽で占められており、その質量が生み出す重力によって太陽系の全ての天体を周りに引きつけ、つなぎとめています。

太陽の表面温度は約6000K(約5727℃)もあり、重力によって圧縮された太陽の中心部では、圧力は2500億気圧、温度は1500億Kにも達しており、原始も高い熱によって分解しています。

太陽は75%が水素でできており、重力で圧縮された水素が高温になって、4つの水素原子から1つのヘリウム4原子を作る「核融合反応」を起こしています。このとき、ニュートリノやガンマ線としてエネルギーが放出されますが、ガンマ線は周りの電子や原子に邪魔されて太陽の外に出られません。

このため、再度ガスに吸収されて別の方になって放出されるということを繰り返し、最終的には波長が長い電磁波(光や赤外線など)になって太陽の外に出ていきます。これが太陽が放つ光や熱の正体です。

太陽には、赤道を挟んだ南北5~40度の範囲に黒点が現れる「黒点帯」と呼ばれる範囲があります。黒点は4000Kと、他の表面よりやや温度が低いため、黒く見えるのです。黒点は太陽の活動と密接に関係しており、太陽の活動が活発な極大期には黒点がたくさん現れます。

太陽の表面には「コロナ」と呼ばれる100万K以上の超高温で密度が低い薄い大気があります。超高温のコロナは気体が電子とイオンに分離したプラズマ状態になっています。これほどの超高温では、太陽の重力をもってしても、コロナガスを繋ぎとめることはできないため、すごいスピードで陽子や電子が放出されます。これが「太陽風」です。

太陽風は、通常、地球の磁場の影響で地上に達することはありませんが、常に地球の周囲を流れていて、有害な銀河宇宙線などが地球に届くのを防いでいます。ただ、太陽で発生するフレアという爆発現象の影響で、まれに密度の高い太陽風が突風のように吹くことがあります。

特に強大なエネルギーを持つものを「太陽嵐」といい、地球の周囲を回っている人工衛星に被害が出るほか、最悪の場合には発電所などが破壊されるリスクもあると指摘されています。

太陽の寿命は約100億年と考えられており、現在、太陽の誕生後か46億年が経過していることから、あと50億年以上は恒星として輝きを放ち続けるはずです。